近年、カナダへ留学する人達の間で人気の留学オプションが「Co-opプログラム」。
「Co-opプログラムだと、海外での仕事経験ができる、自分が学んだ事を有給インターンとして現場で生かせる」
「ワーホリ留学よりも、長くカナダに滞在できる」「勉強」と「(本格的な)就労」との両方を経験できる!
などのメリットを耳にするのではないでしょうか?

そこで今回は、このCo-op留学について、その条件、メリット・デメリットやCo-op留学プログラムを実施している学校についてお話していきます!
そもそもCo-opとは?
Co-opは「Co-operative Education」のことで、学校での勉強と有給での就労期間を組み合わせたプログラムのことです。専門分野の学習 → インターンシップの2段階に分けられています。
オンタリオ州の場合は、インターンシップは無給である場合もあります。
カナダの公立カレッジの一つである、アルゴンキン・カレッジのHPでも以下のように説明しております。
Co-op is a partnership involving students, employers, and the College that provides students with work experience to complement their in-class training.
ーCo-op は、学生、雇用主、大学が協力して、授業でのトレーニングを補完する就業体験を学生に提供するパートナーシップです。ー
自身がカレッジで学んだ事を、Co-opという名のインターンを通して経験を積む事が出来るプログラムです。(語学学校ではCo-opのサービスは提供していないので注意しましょう)
インターンシップの期間は、カレッジのプログラムによって異なりますが、通常4カ月から8カ月ぐらいです。
また、Co-op にかかる費用は、期間や学校によっても様々なので一概には言えませんが、一年間で約$30,000(学費及び生活費込み)以上かかるでしょう。
Co-opのメリットは?
ここでは、よく耳にするCo-opのメリットをお伝えしていきたいと思います。
- 通常の学生ビザとは異なり、フルタイムで勤務する事が出来る
- ワーキングホリデーのような年齢制限がなく、業務経験を積むことが出来る
- 語学学校だけで終わるのではなく、海外での仕事経験を積んで自身のスキルアップが出来る
- Co-op先から就労ビザを出してもらえることもある
- 公立カレッジへの編入ができる
①Co-op中はフルタイムでの勤務が可能


Co-opのメリットの一つである「労働時間規制」の解除ではないでしょうか。
通常カレッジに通う学生は、バンクーバー・トロントを含めてカナダでは「1週間で24時間まで」と決まっております。
しかし、Co-op期間中であれば、上限の40時間まで勤務が可能な為、有給の場合は、生活費を賄えるだけではなく
雇用主としても、より実務的な業務を教えたいという気持ちが増えると思います。
②ワーキングホリデーのような年齢制限がない


このCo-op制度は、社会人にとって魅力的なプログラムだと思います。
通常のワーキングホリデーであれば、カナダでは30歳までと規定されており、31歳以上の方もしくは、以前カナダにワーキングホリデーで渡航経験がある人はセカンドワーホリ(ROワーホリ)の申請(めちゃくちゃ高いと言われている)ができるようになりましたが…
加えて、ワーキングホリデーの場合、カナダで働ける期間はMAXで1年と決まっています。
渡航後の部屋探し、仕事探しなどで自身がバタバタした状況が続くので、ようやく落ち着いて、仕事が見つかったと思たら帰国が迫るという結末になると思います。
それに比べて、Co-opではあくまで「学生ビザに付属したワークパミット」という形式になるので、
年齢制限が全くありません。(経済的な面で余裕があるのであれば、複数回プログラムの申請も可能です。)
また、滞在期間はカレッジのプログラム期間になりますので、2年もしくは3年など長期的にカナダに滞在する事が可能なので、学業や仕事だけではなく、各州への旅行などカナダをより楽しむ事が可能です。



カナダに長く滞在できるのは嬉しい限りですね!
③自身のキャリアアップに繋がる


Co-op留学の魅力は、プログラムが語学学習ではなく、英語を使用してより専門的な学問を学べるところです。
最近だと、オンライン学習や学習アプリの増加で、英語学習への垣根が低くなり、日本に住みながら、IELTS、TOEICなどを高得点取得している人もたくさんいます。
そのような場合、「語学学校・ワーキングホリデーでの留学経験」というのはどうしても優位に立つのは難しいかもしれません…
だからこそ、Co-op留学では、クラスを通じて、語学力の向上だけではなく、
カレッジの修了証(CertificateやDiploma)、インターンシップで取得した経験や推薦を活用し、カナダでの実務的な経験をアピールする事が可能です。
④Co-op先から就労ビザを出してもらえることもある
Co-op先の企業と信頼関係を築き、今後も働き続けてほしいと思われるような人材であれば、就労ビザのサポートをしてくれることもあります。
その後、永住権を得た方もいらっしゃいますので、永住権や長期間、留学経験をしたい方にもプラスとなる留学制度です。
⑤公立カレッジへの編入ができる
敷居の低い私立カレッジのCo-opを選んだ場合は、単位の移行ができるため、公立カレッジへの編入ができる場合はほとんどです。
単位移行して公立カレッジのプログラムに編入したら、自分のキャリアの可能性はグーンと上がりますね。
公立カレッジを卒業すると、プログラムによってはPGWP(ポストグラデュエイト・ワークパミット)という就労ビザを取得することができます。(PGWPは公立カレッジのみ)
さらに長く滞在でき、Co-opと違い、職の制限はなくやってみたかった仕事にチャレンジしてみることもできるでしょう。
Co-opの条件
Co-opの条件はある一定の英語力を必要とすることです。
ワーキングホリデーや、語学学校の場合、英語力について特に問われる事はありませんが、
Co-opプログラムがある、私立もしくは公立のカレッジは、入学時ある程度の英語力が問われます。
必要な英語力は専攻するプログラムにより異なりますが、私立カレッジの方が敷居が低く、大体IELTS4.0~5.5のところがほとんどです(公立カレッジはIELTS6.0~)。
以下のCo-op 受け入れ先のカレッジの英語条件を確認してください。
各カレッジ付属の語学コースに入学すれば、英語力なしに、そのままカリキュラムに入る事も可能ですが、
その場合、学費から追加でかかる事を意識しておきましょう。
Co-op ができる評判のトロントにある学校
私立カレッジ
IELTS | TOFEL・TOEIC | |
---|---|---|
エバーグリーン・カレッジ (Evergreen College) | アカデミック 6.0 各セクション5.5以下は不可 | iBT 79 |
タムウッド・キャリアズ (Tamwood Careers) | アカデミック5.0-5.5 | iBT 52-64 |
アイ・ビー・ティー カレッジ (IBT College) | アカデミック5.5 | iBT 55-60 |
アイラックインターナショナルカレッジ (ILAC International College) | アカデミック5.5 | TOEICで700点以上 |
シーディーアイカレッジ (CDI College) | アカデミック5.5 | TOEICで700点以上 |
公立カレッジ
IELTS | TOFEL | |
---|---|---|
セネカカレッジ (Senica College) | アカデミック 6.0 各セクション5.5以下は不可 | iBT 80 各セクション 20以下は不可 |
センテニアルカレッジ (Centennial College) | アカデミック6.5 各セクションも6.0以下は不可 | iBT 88 各セクション 22以下は不可 |
ジョージブラウンカレッジ (George brown college) | アカデミック5.5 各セクション5.5以下は不可 | iBT 80 各セクション 20以下は不可 |
ハンバーポリテクニック (Humber polytechnic college) | アカデミック6.0 各セクション5.5以下は不可 | iBT 80 各セクション 20以下は不可 |
Co-opのデメリットは?
Co-op留学のメリットだけではなく、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。
- ワーホリよりも初期費用がかかる
- インターンは自動的に付与されない
- 無給インターンの場合もある
- 私立では、ポスグラが申請出来ない
①ワーホリよりも初期費用がかかる
Co-op留学をするには以下の費用が掛かります。コープ留学には、主に以下の費用がかかります。
- 学校の授業料
- 留学エージェント利用料
- 滞在費(ホームステイ / シェアハウスなど)
- 生活費(食費・携帯電話料金など)
- 航空券代
- 留学生保険料
- コープビザ申請料
一年間の留学では、約$33,000(約360万円)ぐらいと考えておきましょう。ちなみにワーホリ留学だと、$28,000(約250万円)ぐらいです。
②インターンが確約されている訳ではない


前記でもお話したように、Co-op留学は、あくまでも「学生ビザに付属したワークパミット(就労許可)」なので、
Co-opプログラムに入学 = インターンがもれなくついてくる という訳ではありません。
そのため、インターン先を自身で見つける必要があります。
学校主催で行われる、企業説明会やジョブフェアの開催、個別カウンセリングを利用する事は勿論、
自身で、履歴書作成、面接対策をしっかりと行いましょう。
現在、カナダ全体が就職難の為、インターン枠でもかなりの競争率になるため、
Co-opでも、結局ワーキングホリデーと同様レストランやカフェ勤務になる人も多いようです。
企業側も、過去にその仕事に関連する経験を持っている人を雇う傾向にありますので、
自身が学んだプログラムでCo-opインターンを行いたい場合は、学業中にポートフォリオ作成は勿論の事、
ボランティア、オンライン業務、イベント参加でコミュニティを広げるなど、出来る限りの事はしていきましょう。
おすすめ仕事探しのサイト
③無給インターンの場合もある
BC州ではCo-opは必ず有給インターンである事を法律で定められておりますが
オンタリオ州では、有給・無給(ボランティアを含む)どちらでもインターンとして認められています。
そのため、オンタリオ州では有給が必ず条件にあるとより難しくなるのが現実です。
実際にマーケティングコースを受講している生徒の中にも、それ関連で見つけられず、自分がアルバイトしている飲食店や知り合いのマネージャーに頼み、Co-opとして雇ってもらっている方もいます。
しかし、無給でも、業務の内容が自身の学んだことに関連するものであれば、損ではないと思いますので、インターン先は時間に余裕をもって探しましょう。
④ポスグラ(PGWP)が対象外になる可能性あり


ポスグラ(Post Graduation Work Permit)とは、カナダで一定の条件を満たした学校を卒業した後に取得可能な就労ビザのことです。
このビザで最大、3年間カナダに滞在する事が可能+このビザを使用時での職務経験が永住権取得時のポイント換算にもなります。
残念ながら、私立カレッジの場合Co-opプログラムは存在していても、このポスグラは申請対象外になっております。
その為、自身がカナダ留学を通じてどのような将来を立てたいか、よく考えて行動に移しましょう。
最後に
今回、人気のカナダのCo-op留学についてお話ししましたが、お金はある程度かかりますが、ワーホリと語学学校留学を掛け合わせた感じでメリットが多い留学プログラムだと思います。
ワーキングホリデーとは異なり、渡航を通じてより専門的な知識を学ぶこともできますし、英語力もつけることができるでしょう。
本気でキャリアアップ、自身を成長させたいと考える人にとって最適なコースだと思います。