まずは、CELPIP(セルピップ)ってどういう試験か知っていますか?
カナダの移民申請するため、もしくはカナダのカレッジに行くための英語能力の証明テストです。いわゆる国際的に知られるIELTSやTOEFLと同じようなテストです。
しかし、CELPIPはカナダ英語に特化しており、カナダでの生活や仕事に焦点を当てた内容であるため、将来的にカナダへの移住や永住権申請を検討している場合にのみ有効です。
CELPIPについて
セルピップと読みますが、「Canadian English Language Proficiency Index Program」の略称です。
カナダのカナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)が設立した「Paragon Testing Enterprises」という「Paragon Testing Enterprises」という機関が運営しています。
CELPIPは、カナダ移民局 が認定している英語試験なので、カナダでの永住権(PR)や、市民権の申請に必要な英語能力の証明となります。
スコアは全技能12が満点で4つの技能を足してわって平均(AVG score)が算出されます。
カナダのテストなので、多くのカナダのカレッジや大学も導入しているテストで、IELTSやTOEFLの代わりとして使えます。
Celpipには、2つ種類があります。
- CELPIP-General
リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を測定するテストで、主にカナダの永住権申請に使用されます。
- CELPIP-General LS
リスニングとスピーキングの2技能を測定するテストで、主にカナダの市民権取得に使用されます
ほとんどの日本人の方は、カレッジ進学や移民申請のためCELPIPジェネラルの試験を受験することになります。
■ CELPIPのテスト形式
CELPIPは、もっと有名な英語能力を判定するテストである、IELTSやTOEFLと同様に、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの4つの技能で構成されているテストです。
試験時間はだいたい3時間ぐらいで、全てコンピューターで行います。そいった面でもTOEFLのテストに近いです。
各セクションの時間配分は以下の通りです。
- スピーキング:20分
- リスニング :47分
- リーディング:55分
- ライティング:53分
※試験時間をぎりぎりまで使うことなく、早く終わらせることも可能なので試験時間は多少の個人差があります。
■ CELPIPのスコア算出方法
最高点は「12」ですが、最低点は「0」ではなく「3」です。それ以下は、M (診断不可)というアルファベットで評価されてしまいます。
「M」とは、Minimal proficiency or insufficient information to assess(診断に必要な情報不足のため、診断不可)という意味だそうです。
では、どれくらいのスコアがあればカナダの永住権が取れるかについては、今までの職歴、年齢、学歴なども関わってきますので、一概に言えませんが…
だいたいレストランのシェフで5ぐらい、マネージャークラスは7,職種によっては9ぐらいを目指す人が多いです。CELPIPのスコアは、セクションごとに出され、それぞれ12段階で評価されます。
■ CELPIPの4技能別テスト内容
リスニング
- 日常生活での会話(例:ルームメイト、同僚、友人との相談など)や職場で起こるリアルな英語使用場面が中心
- 話を聞いたあとに質問に答えるタイプ(メモを取ることも可能)
- 聞き取るだけでなく、状況を正しく把握できるかが問われる
- 採点されない問題(experimental questions) がある
リーディング
- 手紙やEメールの読解や図表の読み取り、記事、説明文、案内文、社説などやや長めの文章も含む
- IELTSのアカデミックな内容に比べると、より 実生活に即した実用的な文章 が中心
- 文章を読んで選択問題に答える形式
- 採点されない問題(experimental questions) がある
ライティング
- ライティングセクション は、全部で 2つのタスク
- タスク1は、指定された状況に応じて、相手にEメールを書く
- タスク2は、日常的なトピックに関するアンケート形式の質問に答える
- 実生活や職場で使う「実用的な英語での書き表現力」を評価する構成
ライティング評価ポイント - 内容: 指示に従い、必要な情報をきちんと盛り込んでいるか
- 構成: 序論・本論・結論の流れがあるか
- 語彙: 適切で多様な語彙を使えているか
- 文法: 正確でバリエーションのある文構造を使えているか
- スタイル: 相手や状況に合ったトーン(丁寧さ・フォーマルさ)になっているか
スピーキング
- コンピュータに向かってマイクで答える形式で、人との対面インタビューはない
- 全部で8つのタスクで構成され、コンピュータのマイクに録音 → 後で採点官が評価
- 友人にアドバイスを与えるタスクや、自分の経験やあるトピックに対する意見を述べたり、画像やイラストの描写を含む
- スピーキング評価ポイント:
- 内容の充実度(答えが的確か)
- 発音の明瞭さ
- 文法・語彙の幅
- 流暢さ(途切れずスムーズに話せるか)
まカナダでは「CLB(Canadian Language Benchmarks)」という、カナダ特有の言語評価基準が設定されています。
■ CELPIPスコア
CELPIPは各セクション12点満点で、4つの技能を足して割った総合Averageスコアが算出されます。
以下は、CELPIPのスコアをCLBに換算した場合の点数と、各スコアにおける英語力の説明です。

参考:https://www.celpip.ca/prepare-for-celpip/score-comparison-chart/
■ CELPIPの受験料とテスト結果開示日
受験料は、290カナダドル(約2万3000円)プラスその州のタックスがかかります(2025年時点)。
実施日は州や都市、テストセンターによって異なりますが、月に1回以上テスト日が各地で設定されます。ちなみにトロントではテストセンターも多く、ほぼ毎日のペースで試験を受けることができます。
最寄りのセンターの試験日程はCELPIP公式ホームページ から確認します。CELPIPテストを受験する場合は、CELPIP公式ホームページでアカウントを作成する必要があります。
CELPIPのテスト結果は、受験の4〜5日後にオンライン上で確認でき、スコア証明も自分のアカウントからPDFで取得可能です。
CELPIP受験の注意点:
5日ルールがあり、受験者は 前回のテストから5日空けないと再受験することはできません。
■ CELPIPの教材
CELPIPの教材はCELPIPを運営する Paragon Testing Enterprises(UBCの子会社) が、公式の教材やオンライン講座を独占的に提供している状態です。そのため、市販参考書の数が非常に少なく、対策のための問題集が限られています。
そのため、CELPIP公式ホームページからオンラインで模擬テストや公式問題集を購入することができます。オンライン教材の中には、有効期限が切れるとアクセスができない仕様になっているものもあるので注意してください。
■CELPIPテストの申込方法
CELPIPテストの申し込み方法は公式サイトにアクセスして以下のステップで進められます。
🖥️ 1. 公式サイトから申し込む
公式サイト:CELPIP公式ページ
「Find a Test Date(テスト日を探す)」ページから、希望する国・都市を選びます。
🏙️ 2. 受験会場・日程を選ぶ
受験都市(例:Toronto, Vancouver, Calgary, Seoul, Dubai など)を選択
「General」か「General LS」を選択
その都市の複数のテストセンターの日程スケジュールが表示されるので好きな会場と日時を選ぶ。
👤 3. アカウント作成(アカウントを持っていない方)
CELPIP公式のオンラインアカウントを作成(Eメール・パスワード登録)
個人情報(氏名、生年月日、住所など)を入力
パスポートなどの身分証明書情報 を登録する必要があります。
💳 4. 支払い
受験料はオンラインで決済します。
CELPIP-General:約 280カナダドル前後
CELPIP-General LS:約 195カナダドル前後
支払い方法:クレジットカード(Visa, MasterCardなど)
📧 5. 受験確認書を受け取る
登録メールアドレスに「Confirmation Email(受験確認メール)」が届きます。
CELPIPを受験するメリット&デメリット
メリット
CELPIPを受験する一番の利点は、カナダでの実生活に直結した内容のテストなのでカナダへの移民を考えている方には最適
CELPIPは カナダ英語に基づいているため、聞きやすいという方も多い
カナダの主要都市(トロント、バンクーバー、カルガリーなど)にテストセンターが多数あり、受験日に困ることはない
テスト結果の開示も早い
デメリット
最大のデメリットは世界的な認知度です。IELTSのような国際的バリエーションに比べると、地域性が強いテストなため、英語能力の証明や他国(カナダ以外)の移民申請に使用する目的には沿っていない
CELPIPテストは、地方の方やカナダ国外ではテストセンターがないなどの不便がある
く独学の対策が難しい
い
IELTSとTOEFLとの比較
項目 | CELPIP | IELTS | TOEFL(2025年) |
---|---|---|---|
運営国 | カナダ(UBC子会社) | 英国・豪州中心の国際運営 | 米国(ETS) |
主な用途 | カナダ移民申請・市民権申請 | 留学・就労・移民(世界的に広い) | 留学(特に米国)、一部移民 |
試験形式 | 100%コンピュータベース(タイピング & 録音) | ペーパー版またはコンピュータ版 | 100%オンライン(iBT) |
スピーキング | コンピュータに向かって時間内にスピーチ | 面接官と対面(またはビデオ通話) | コンピュータに向かって時間内にスピーチ |
リスニング | カナダ英語中心の発音 | 英国・豪州・米国など多様な英語 | 米国英語中心、アカデミック寄り |
リーディング | 実生活・職場での文書(メール・広告・記事など) | アカデミック/ジェネラルで難易度が分かれる | 大学レベルの論文・講義内容 |
ライティング | Eメール・アンケート回答など日常的 | 図表などのリポート&エッセイ(アカデミック) | 論理的エッセイ・要約 |
試験時間 | 約3時間 | 約2時間45分 | 約3時間 |
結果通知 | 約4〜5日(RUSHでさらに早い) | 3〜7日(ペーパーはさらに長い) | 4〜8日 |
受験場所 | カナダ国内と一部の海外都市(限られる) | 世界中にテストセンター多数 | 世界中にテストセンター多数 |
再受験制限 | 30日ルールあり | 制限なし | 制限なし |
認知度 | カナダで強い、他国では限定的 | 世界で最も広く認知 | 世界的に有名、特に米国大学で強い |
CELPIPに向けての対策
IELTSかCELPIPかどっちがいいのか的な話題があったりしますが、自分は以前アメリカ留学やカナダの大学院受験でTOEFLを受けまくっていたので形式が似てるCELPIPを受けることにしました。
*そういえば日本でもCELPIPを受けられるようになったみたいですね。
教材や対策をしている学校が少ないので、まずは独学で対策をしました。公式サイトで試験を申し込むとフリーのテストが2セット分無料で受けられるのでそれを何度もやりました。
他にも、
・公式のポッドキャストで情報収集
・CELPIP対策のYouTubeを見る
・アマゾンで問題集を買いひたすら解く練習
対策に当てられる時間は3週間ほどぐらいでした。勉強ちょっとしてみての感想はTOEFLよりかは明らかに簡単です。CELPIPはアカデミックよりではなく、最初の問題とかは簡単なのが多いので、点数が取りやすいと思いました。
しかし、スピーキングはTOEFLよりも難しいと思いました。マイクに録音する形式に関してはTOEFLと一緒だったのですが、、特殊な問題が多いので苦戦します。スピーキングの対策はしっかりとりましょう。
CELPIPの試験を終えて(試験後の感想)
試験の当日、本人確認をして、テストは9時に始まり大体11時半には終わりました。試験の感想は、
リスニング:Unsocred Itemsがあるのを忘れていて最後のパートは全くあてずっほうで答えた。それ以外はまぁまぁでした。
リーディング:これまた普通ですが、リーディングは元から強いセクションなので7-8を予想。
ライティング:自信あり。テンプレートを使い、高得点取れる表現をいれたので8はいってて欲しい。早く終わったので読み直しやスペルミスなどのケアレスミスが無いかもチェックできる時間がありました。
スピーキング:うーん、一番苦戦?正直微妙。質問にすべて答えられないパートがあり、また時間内に終わらない、余り過ぎたパートも有り。
テスト結果
リーディング以外は意外と点数がとれなかったという結果になりました。
テストを甘くみていたせいで、準備期間も短かったので準備万全とまではいかなかった結果だと思います。

最後に
CELPIPとは
✅正式名称: Canadian English Language Proficiency Index Program
✅目的: カナダ移民申請・市民権申請・専門職(看護師など)の英語能力証明
✅主催: Paragon Testing Enterprises(ブリティッシュコロンビア大学 UBC 子会社)
✅形式: すべてコンピュータベース(リーディングはタイピング、スピーキングはマイク録音)
セクション構成
Listening(47〜55分): 会話・ニュース・ディスカッションを聞き取る
Reading(55〜60分): メール・広告・記事・意見文などを読む
Writing(53〜60分): Eメール作成、アンケート回答
Speaking(15〜20分): 助言、意見表明、場面描写、比較・説得など 8タスク
(※ ListeningとReadingには「スコア換算されない実験問題」が含まれる)
CELPIPはカナダでの移民や進学を目的としたコンピューターで行う4技能テストですが、IELTSやTOEFLよりはアカデミック感がなく簡単なテストだと思いました。
教材が少ないのが難点で対策を取る学校もすくなく、独学で臨みましたので、いまいち高得点に必要な対策ができていなかったっと思います。
特に、スピーキングはYouTubeなどをみて対策しましたが、得点につながる答え方があいまいだったので、しっかりした対策のために学校に通った方が良かったのかなぁと最終的には思いました。
これから対策する方には、目標スコアによりますが、自分でまずは対策を取って、一度受けてみてどのぐらいの点数かを見極めてみましょう。
必要に応じて、もしくはセクション別に対策を取りたいことも多くある場合は、プロに任せましょう。
オンラインで対策できる学校
Metropolitan Academy of English(MAE)
トロントにある語学学校で、現地の生徒様にのみCELPIP対策を提供。オンラインでも通学でも可能で、スピーキングとライティングのみ、などの技能別対策にも特化。マンツーマンの日本語でのレッスンが嬉しい。
ILAC(アイラック) 通学のみ
2週間の期間ごとにグループレッスンを受けることができますが、必須コースと選択コースを取らなければならないので
CELPIPに特化した対策とはいいがたいかもしれません。
CCE Toronto (Canada College of Education Toronto)
個別指導・夜間クラスなど、全4スキルをカバーする準備コース。オンラインも可。ネイティブ講師。
Global Village Victoria
夕方からオンラインで受講可能、セミプライベートとプライベートの選択可。ネイティブ講師。
EBSL
TOEIC対策に特化したトロントにあるスクール。日本人の講師がマンツーマン試験対策も提供しています。
ただいま休業中らしいのでお問い合わせが必要です(2025年現在)