カナダのお土産の定番中の定番「メープルシロップ」。
実は以外と奥深いものって知っていましたか?
今回は、メープルシロップの種類やグレード、人気のブランドなどのお話から、アメリカ産とのメープルシロップの違いまでお話しいたします。

メープルシロップとは

そもそも、メープルシロップって何というところから、お話したいと思います。
メープルシロップとは「カエデの樹液を煮詰めたシロップ」です。「はちみつ」と同様に自然由来の糖分を生かした製法でつくられています。
では、なぜメープルの樹液がそんなに甘くなるのか?というと、メープルの樹木は、夏の間に樹木の内部に蓄えたでんぷんを糖分に変えて、カナダの冬の厳しい寒さに耐えます。
そして雪解け水が流れる頃、メープル樹木は昼間に糖分をわずかに含んだ樹液(メープルウォーター)を流しだします。
生産者は、その春の雪解け時に、メープルの幹に1カ所~4カ所の採取口を取り付けてその樹液を取り出します。
採取した後の、メープルシロップの製造方法は、至ってシンプル。
一定の温度でひたすら煮詰めるだけです。
煮詰めると、量が少なくなるのは当たり前。実際に、40Lの樹液からは、たったの1Lしかメープルシロップは生産されないようです。糖分を凝縮させます。
だから、純正のメープルシロップは高級品とみなされ、お値段も少し張るのが普通です。
カナダではこの工程を実際に見学できます。春ごろの一定時期にのみ、「メープルシロップツアー」に参加できますよ。
下記にツアーのことについてもお話しています。
メープルシロップの健康的メリット
メープルシロップは、自然の恵み!
他の甘味料に比べてカロリーは比較的に低いのも特徴。ミネラルやカルシウム、カリウム、亜鉛が含まれいるのでとても、健康的によい甘味料と言われています!
また、はちみつとは異なりボツリヌス菌を保持していないので、0歳時からでも安心して与えることができます。
ただ、多くのミネラルやビタミンが含まれているとはいえ、甘味料ではあることには違いがありませんので、
食べすぎには注意しましょう。
メープルシロップのグレードと種類
まず、私たちがスーパーなどで購入できるメープルシロップは全てグレードAのカテゴリーになります。
グレード
メープルシロップのグレードはカナダと米国で基準が統一されています。
現在は、食用に販売されているメープルシロップの全てのグレードが「カナダ グレード A」というカテゴリーに属しています。グレードAのみが店頭で販売されています。
グレードAの製品は全て下記の条件を満たしています。
- 発酵していない
- 色が均一
- 沈殿物がない
- 濁りや曇りがない
- そのカラークラスに適合した風味
- 不快な臭いや味がない
- 樹液を煮詰める以外の方法で作られてはいない。
※グレードAの品質基準に満たないメープルシロップは、カナダ加工グレードというカテゴリーに属し、主に加工食品用として使われています。料理に使う関係でグレードBのメープルシロップもオンラインなどで購入可能です。
種類

実は、メープルシロップは採取時期によって4つの種類と等級に分類されます。
採取時期が早いと、色は薄く、優しい味になりますが、逆に遅くなるとメープルの風味が強いシロップになります。
下記のように色で種類が分けられます。しかし栄養素の面ではあまり変わらないそうです。
①ゴールデン:採取時期が一番早い樹液で作られたシロップで、他のメープルシロップに比べて馴染みやすく、軽い、くせのない、デリケートな味です。その為、通常の甘味料のように、コーヒー、紅茶、ヨーグルト、はたまたみりんの代用品として使えます。お値段が一番高いです。
②アンバー:この種類のメープルシロップが最も主流で、スーパーやお土産屋さんでよく見かけます。
定番のパンケーキや、ワッフルには勿論、メープル風味のラテやケーキにも相性がぴったり!リッチフレーバーでお値段もお手頃です。
私もアンバーが一番好きです。
③ダーク:ここからは、メープルの色も風味も濃くなります。舌触りも、黒蜜のようなとろっとした感触になるので和菓子へのトッピング、照り焼きや煮込み料理にも使えますよ。
④ベリーダーク:メープルシロップの中でももっとも味が深い種類になります。希少性も高く、通常のスーパーやお土産さんではそれほど見かけません。しかし、ダーク―と同様、強い風味を持った料理などに使えます。
一般的に、早い時期に採取されたものほど色が薄く、上品な甘さで、希少価値が高いため価格も高くなります。
そのため、ゴールデンはアンバーよりも高価な傾向があります。また、同じ等級でも、メーカーや容量によって価格は異なります。
おすすめブランド
ここでは、おすすめのカナダ産のメープルシロップを紹介したいと思います。メープルシロップの生産は、ケベック州が特に有名です。
商品によっては、カナダ国内のみ販売しているので日本での購入は不可です。
1. Jakeman

カナダ産のブランドでは一番有名で、オンタリオ州産のメープルシロップ。
さまざまな種類のものがここのブランドの名前で生産されています。
お土産屋さんに売っているカエデの瓶のメープルシロップもJakemanのブランドのものが多いです。家族5世代にわたる経営で変わらない味を提供し続けるJakeman。
Loblaws などの地元のスーパーやアマゾンでも購入可能です。グレードAのアンバーで、だいたい1瓶100ml20ドルぐらいです。
2. Escuminac

カナダのケベック州産のメープルシロップ。人気のアンバータイプです。定番のパンケーキは勿論のこと、コーヒーや紅茶のフレーバーにも使ったり、デザート用として用いたりと幅広く使いたい人には絶対におすすめの逸品です。
このバージョンのすごいところは、ブレンドして作ったメープルシロップではなくて、一つの木から採取されたシロップのみで作られていることです。(ふつうは近隣の木の樹液を混ぜて作ります)
もちろん、ここのEscuminacのブランドもさまざまなパッケージングやグレードがあるのでお値段もさまざまですが、一般的に高級なしつのよいメープルシロップを提供しているブランドとして有名です。
3. Maple Syrup World, Can 540ml (Amber, Rich Taste)

缶で売っている珍しいタイプですが、その分、安く手に入ります。ケベック産のものです。 C$18ぐらいで買えます。缶を開けてから冷蔵庫で保存する場合は6っカ月持つと明記されています。
ここのブランドもお土産屋さんで良く見かけるタイプのものも売っています。
Maple Syrup World もブレンドよりも一つの木からの採取にこだわり、ワインのように土壌や気の健康状態、採取する時の気温などによって味はそれぞれ違うと主張しています。
こんなこだわりのあるブランド、おいしくないわけがありません。商品によって価格もさまざまです。
またこのブランドは、メープルバターやジャム、クッキーやキャンデーなど、メープルシロップから作られる他の商品でも有名です。
私が気になっている商品はMaple Sugar です。普通の砂糖の代用として使えるけど、ヘルシーで甘さが控えめです。
その他クッキーなどのメープル製品はどれもおいしいですが、私的には甘すぎるかなぁ?という印象です。
4.Turkey Hill

このブランドのFarmsもケベック州に位置しています。ケベック州が世界のメープルシロップの71%を生産しているのもうなずけますね。
Turkey Hillは、クオリティーにこだわった製品、化学添加物や保存料を一切使用せず、サトウカエデの樹液から100%ピュアな天然メープルシロップのみを生産しています(もちろんここで取り上げているブランドはみな保存剤等は入っていません)。
ケベックの伝統的な製法を大切にしつつ、最新の衛生・温度管理技術を導入することで、品質と安全性を両立。常に最高の風味を保っています。
5. Winding Road

Winding Road Maple(ウィンディング・ロード・メイプル)は、カナダ・オンタリオ州エルミラ(Elmira)に拠点を置く、家族経営のクラフト系メープルシロップブランドです。
小さなファームですが、伝統的な製造過程を保ち、手作業で収穫された樹液を小ロットで丁寧に加工しています。
1993年に始まった農園は、創業から4世代にわたる家族経営で行われているそう。
「滑らかでまろやか」ながら、「濃厚でメープル本来の風味」を楽しめる味わいです。オンタリオ産も負けてはいません。価格も安めに設定されていますよ。
アメリカ産メープルシロップとの違い
北アメリカでメープルシロップの生産が盛んですが、アメリカ産とカナダ産のメープルシロップの違いって何でしょうか?
アメリカ産とカナダ産のメープルシロップには、品質や味、規格、文化的背景などにいくつかの違いがあります。
ぶっちゃけ、カナダ食品検査庁(CFIA)が定めた全国共通の規格があり、表示の規律が厳しいです。そのため、官能検査+透過率で厳密分類することが決められています。
1. 世界をリードするのはカナダ産
■ 圧倒的な生産量と安定品質
カナダは世界のメープルシロップの約70%以上を生産しており、特にケベック州が中心地。
政府による厳格な品質管理が行われており、「Grade A」や「ゴールデン」「アンバー」など、色と味で明確に等級分けされています。
■ マイルドで繊細な風味
カナダ産はクセが少なく、まろやかで上品な甘みが特徴。初めてメープルシロップを試す方や、毎日の食卓で使いたい方におすすめです。
2. アメリカ産は“個性派”の逸品
■ 小規模生産ならではのクラフト感
アメリカではバーモント州やニューヨーク州などで生産されており、小規模な農家が伝統的な手法で丁寧に作るスタイルが主流。州によって品質基準が異なるのも特徴です。
■ 力強い風味と香ばしさ
アメリカ産はややスモーキーだったり、ナッツのような風味があるなど、地域や生産者によって個性豊か。料理好きや味にこだわる方にはぴったりです。
3. 規格や表示の違いにも注目
項目 | カナダ産 | アメリカ産 |
---|---|---|
等級表示 | 「Grade A」+色分類(ゴールデン 〜ベリーダーク) | 過去は「Grade B」なども使用 (現在は統一化) |
生産管理 | 政府による厳格な規定 | 州ごとの基準、生産者ごとの自 由度が高い |
味の傾向 | 繊細でまろやか | 香ばしく力強い |
4. 価格と流通:どちらが手に入りやすい?
- カナダ産: 大量生産・安定供給により、価格が比較的安定していて入手しやすい。
- アメリカ産: 小規模生産・個性重視のため、やや高価だがユニークな味を楽しめる。
5. どっちを選ぶべき?シーン別おすすめ
シーン | おすすめ |
---|---|
毎朝のパンケーキやヨーグルトに | ✅ カナダ産 |
ギフトや特別な料理用に | ✅ アメリカ産 |
子どもと一緒に楽しむ | ✅ カナダ産(クセが少ない) |
味にこだわる大人のデザートに | ✅ アメリカ産(風味が豊か) |
カナダ産は「安定品質とまろやかさ」、アメリカ産は「個性とクラフト感」が魅力です。
ぶっちゃけ、カナダの規格は厳しいので、誰にでも好かれるクオリティーを求めるならカナダ産!がいいですね。
メープルシロップの工場見学

「メープルシロップについてもっと知ってみたい」「実際の製造現場を見てみたい」という人には
メープルファームへのツアー参加をおすすめします!
採取工程から見たいとなると冬限定になりますが、製造工程、テイスティング、ショップであれば夏でも参加可能です。
比較的にトロントから近い、エリオット・ツリーファームでは、ツアーは勿論、1980年代に使用されてた道具を展示する博物館もあるので1日楽しめるスポットではないでしょうか。
Maple Syrup Tour は3月から4月あたりまでの期間限定です。ツアーに参加するとパンケーキのランチも付きで申し込むこともできます!
こちらのファームも、トロントの北に位置していて、約車で1時間ちょいで行けるので便利な場所に位置しています。
こちらのファームは、少し遠くなりますが、それでもトロントから約2時間でつく場所に位置しています。メープルシロップだけでなく、イチゴの栽培なども行っていますよ。
最後に
今回の記事では、メープルシロップの製造方法、種類、グレードなどについて紹介させていただきました。
普段スーパーで見るメープルシロップも少しの知識があるだけで、お土産や自宅用にどの種類がいいのかピックアップするのが楽しくなりますね。
また、いろんなブランドのメープルを試食して自分のお気に入りを作るのも楽しいです。
ここでとりあげたブランド以外でも地元のスーパーでは独自のブランドのメープルシロップを売っている(比較的安い)!
コストコでもカナダ産のメープルシロップは買えるのでカナダに来たら多種多様なブランドがあることにびっくりするかも!!
メープルファーム体験は、森の中なので、製造過程の見学は勿論、自然を楽しみアクティビティとしても十分価値のあるものだと思います。