カナダに来て、レジュメ配りや面接準備、英語資格試験の対策など、いろんな経験をしてきましたが、
一番大変だったのが交通の不便さでした。
カナダは「車社会」。車がないと生活が不便に感じる場面が多々あります。
土地が広大なカナダでは、駅近くのダウンタウンに住んでいない限りは、郊外でもバス停まで徒歩15分歩いたり、最寄りのスーパーまで徒歩30分と日本じゃありえない距離感を歩くのが当たり前です。
そんな中で避けて通れないのが「カナダの交通ルール」。
日本とは信号の位置、優先道路の考え方、右折ルール、自転車の乗り方(自転車は普通自動車と同じ扱い)、そしてスクールバスの扱いまで、驚くほど違います。
私はカナダでドライビングスクールに通いました。
この記事では、これからカナダに住み始める人が知っておきたい交通ルール、自動車を安心してドライブするための知識をまとめました。
特にカナダで運転できれば、公共交通では行けない観光地やレストランにも足を運べるようになるので非常に便利です。
①左ハンドル、右側通行
一番初めに、混乱するのが「左ハンドル、右側通行」
つまり、日本で運転していた形式と完全に逆になります。勿論、追い越し車線も左右逆になります。
頭ではわかっているつもりでも、いざ運転すると慣れで体が反応してしまい、左側通行になりがちに…. (危ない!)
特に左折は、交通事故が最も起きやすい場所、前の車がどのレーンを走っているのかを意識しましょう
※ウインカーレバーも逆になるので、シグナルを出そうとして、ワイパーが出てしまうのもよくあります。
②赤信号での右折はOK
これは、車社会であるカナダ、アメリカでのルールですが、渋滞を少しでも減らすため、
一時停止をして安全を確認後、信号が赤でも右折することができます。
しかし、交通量の多い場所や、子供達が登下校する時間の学校付近などでは
右下のような赤信号時での右折禁止サインがある所もあるので、ご注意ください!
③スクールバスへの配慮
カナダでは、ほとんどの生徒がスクールバス通学です。その為、安全を考慮して
スクールバスが赤ライトで点滅で停車している時は、子供たちが下車&道路を横断しているため
スクールバスの後方車両は必ず停止しなければなりません。追い越しなどは絶対禁止です。
しかも20メートルの距離を置いて停止し、スクールバスの点滅が消えるまで辛抱強く待つ必要があります。
子供が多く降りる、マンションやアパートの前では5分ぐらい停止させられるの時もありますよ。
(もし、中央分離帯が存在する場合は、反対車線側の車は、注意しながらの運転でOKです。)

④スクールバス付近でのスピード制限
続けて、スクール関係の交通ルールです。
カナダは、どの場所も法定速度も日本に比べて早いです。
標識が無い場所は60kmですが、場所によっては70㎞・80kmを出してもよいという標識があります。
学校付近や公園付近では30km-40kmで走行するような標識があります。
そのほか、「speed bump」(スピードバンプ)といい、車両の速度を強制的に落とすための凸状の隆起物が道路上にあります。スクールゾーンのほか閑静な住宅街に設置されています。
トロントでは、スピードカメラや赤信号カメラが至る所に設置されており、スピードカメラで感知されて罰金の通知が届くのは一度はだれでも経験することだと思います。
罰金はスピードは150ドルぐらい、赤信号カメラは300ドル以上取られます。
⑤ストップサイン
一時停止サインは、日本でもありますが、カナダのストップサインは少し特殊です。
カナダでは「ALL WAY STOP」もしくは「4WAY STOP」というものが存在します。
この、ストップサインは先に止まった車が先に進むのがルールです。同時に止まった場合は右側の車が優先して
走行します。人に譲る心は大事ですが、ルールに沿った交通が事故やもめごとをなくすための一番の心得え。必ずストップサインは止まった順に走行しましょう。

⑥踏切横断について

日本では「止まれの標識がなくても必ず一時停止」が義務ですが、
カナダでは踏切でも警報(ライトやベル)が鳴っていない限り、一時停止の義務はありません。
そのため、普通の乗用車はそのまま減速して通過します。
ただし、スクールバスを含めたツアーバスや公共バス、 危険物を積んだトラックは例外で踏切りで常に止まる義務があります。
私がカナダのドライブスクールに通った際には、日本での運転の癖で一時停止をしてしまい追突の可能性があるから停止をしないでと注意されました。
カナダ特有の標識
カナダの標識も日本と同様、国際基準に近い体系をとっておりますが、カナダ特有のものもあります。
ここではその一部を紹介したいと思います。
①双方向共有左折レーン


この標識は近くに、「双方向共有左折レーン」を意味し、左折することによって引き起こされる渋滞を、軽減するために右図のような道路が近くに配置されていることを示しています。
②スノーモービルサイン

こちららは、「Snowmobile Crossing」
つまり、道路でスノーモービルが横断する可能性あるので運転には注意するようにとの喚起の標識です。
こちらは雪国カナダならではのものですね。
③自閉症エリア
こちらは、私も最近知ったのですが
カナダでは、自閉症(Autism)の子どもが住む地域に、右図のような注意を促す標識が設置されることがあります。
この標識は、保護者の「子どもが飛び出してしまう可能性がある」「クラクションの音に気づきにくいことがある」といった不安の声をもとに、交通局へ依頼して設置されるものです。
地域全体で子どもの安全を守るための、思いやりのある取り組みといえます。
カナダの標識デザイン
勿論、日本とカナダで共通の意味を持つ標識があります。ただ、デザインは異なるので
しっかりと覚えておきましょう。
こちらのサイトで、標識のデザインを比べることができますが、一部こちらで紹介させていただきます。
速度制限
日本

カナダ

通行止め
日本

カナダ

追い越し禁止
日本

カナダ

自転車の乗り方について
自転車に乗る際には、日本とは異なり、車両の一部として扱われます。
(カナダでは、日本のようなママチャリではなく、スポーツバイクが主流です
その為、走行速度も速く交通ルールは車と同様)
その為、基本は車道を走り左折右折の際には左下図のようなハンドサインが必須となっております。
また、右下図のような自転車専用レーンがありましたそこを走行しましょう。(歩道走行は厳禁です。)
カナダの運転マナーについて
トロントは事故が多く、車の保険もめちゃ高いでのが現実です。
というのも、移民が多い国なので、運転ルールを知らずに無視したり、また譲る気持ちに欠けていたり、運転マナーというもの統一しないからです。
スピード超過やウインカーを出さない車なども日常茶飯事です。あおってくる車や追い越し、無意味な車線変更も多いです。
道路も工事を行っている場所が多いので、一車線になっていたり、通行止めだったりして不便が多いのも事実。車社会なので車が非常に多いので交通渋滞は日常茶飯事。
カナダの「ハイウェイ401号線」(Highway 401)はノースアメリカで一番の交通量を誇る高速道路と言われています。
車通勤の方は、たいていイライラして先を急ぎ、譲る気持ちを忘れていることを年頭に置きましょう。また、「cheater(cheat=だますから由来している」といって、並んで待つことをせず、最後の最後に車線変更をして割り込む人がなんと本当に多い!(マナーのなさには幻滅する時があります)
「Road Rage」という言葉知っていますか?「road」(道路)と「rage」(激怒、憤り)という単語が組み合わさっていて、あおり運転と訳されます。
他の車の急な割り込みやあおり運転などに対して、報復的に車間距離を詰めたり、パッシングやクラクションで威嚇したり、急ブレーキをかけたりする行為です。
トロントでは、交通違反や事故につながる重大な問題として取り上げられています。運転者同志の時もあれば、運転者と歩行者、運転者とサイクリストが路上で言い争っているのをたまに見かけます。
日本に帰るたびに日本人の運転マナーは非常に良いと感動します。
最後に
今回の記事では、日本では見かけないカナダ特有の交通ルールと自転車のルールを紹介しました。
自転車は冬の時期は別として、夏などは交通機関を使わなくてもいいので、ぜひ使用してお金をセーブしたいですよね。トロント市内は、バイクレーンが設置されているところが多いので安全です。
また、カナダでは日本の免許書(一年以上の運転の経験が必要)があれば、自動車学校にいかなくても、試験や教習を受けなくても、書き換えの手続きをするだけで運転できるという特典があります。
そのため、一応書き換えだけでもしておく学生も多いです。
100ドルぐらいで書き換えができます。また、カナダの免許書は身分証明書代わりにもなります。
カナダの人の運転は荒く、マナーない人も多いけど、道路自体は広く、通勤時間などを除けばそれなりに楽しめます。
また、田舎のほうにドライブにしに行くのであれば広大な自然が広がっているので運転はとても楽しいです。
この記事で紹介したルールを参考に、
ぜひ安全第一で、快適なカナダドライブライフを送りましょう!










